理事長メッセージ | 尼崎青年会議所

理事長メッセージ

スローガン

理事長

一般社団法人 尼崎青年会議所
2019年度 第60代
理事長 池田 伸吾

我が国はめざましい経済発展により物質的な豊かさが実現される時代の中で、互いを尊重し合いながらも、競争的環境のもとで、経済政策が展開されてきました。昨今においては情報化社会が進み、自らの利益を優先することが加速し、価値観が大きく変わり、困惑する政治、無関心がはびこる社会の波紋がひろまっています。また、日本の抱える重要課題のひとつである少子化・高齢化社会についても依然とした効果的な対策はなく、人口減少・人口流出に歯止めを掛けられずにいます。一般社団法人尼崎青年会議所おいても、今の勢いある歩みを止めると、会員の減少から生じる組織及び事業規模の縮小を懸念する問題を抱えています。このような状況下において我々若き青年経済人は、どう行動していくべきでしょうか。
戦後の復興期に「新日本の再建は我々青年の仕事である」との志のもと、東京から日本の青年会議所運動が始まり、尼崎青年会議所は1959年9月4日高き志をもった先輩方の手により全国で172番目の青年会議所として登録されました。それから59年間もの間、その志を受け継ぎながら、時代の社会情勢やまちの環境変化を的確に捉え、まちづくりやひとづくりといった時代に必要とされる様々な事業を生み出してきました。創立60周年を迎える今、先輩方が紡いでこられた情熱や、歴史や伝統を次代につなげていくためにも、原点を振り返り、今の時代に求められる運動を明確にしなければなりません。高き志を胸に、さらに友情を育みながら、情熱的な運動をされてきた先輩方のように、気概をもって地域のリーダーとして、尼崎青年会議所の看板を背負い、誇りをもって明るい豊かな社会の実現に向けて、大義をもって笑顔で歩んで参りましょう。

運営基本方針

我々が今、事業を通じJC運動を展開できているのは、尼崎市民や多くの関係諸団体、そして何よりこのまちに対する熱い想いを紡いでこられた先輩方のご支援による賜物です。その恩に報いるためには、このつながりに感謝するとともに、先輩方から受け継いだ熱い想いを次代に継承しなければなりません。そのためにも、今まで以上にお世話になったまちのために、気概と覚悟をもってJC運動を展開していきます。地域の特性に即した問題を解決し、多くの方々の心を掴み続ける尼崎青年会議所であるために、固定概念に捉われることのない、風通しの良い組織づくりが必要です。我々一人ひとりがJAYCEEとして、この「最後の学び舎」といわれる団体で、常に切磋琢磨しながら、今この地域に存在する課題解決に向けて積極的に取り組み、率先して行動する地域のリーダーでなければなりません。一人ひとりの力は小さくともメンバー全員が心ひとつで力を合わせることで、地域に対して良い変化へとつなげる事をできるのが我々JAYCEEであります。事業をするにあたり最大の危険は、目標が高すぎて達成できない事ではなく目標が低すぎてその目標を達成してしまう事である。我々は、まちづくりに対する気概と当事者意識をもち、理想を高く掲げ勇気をもって行動しなければなりません。さらに、それぞれの役割を通じ多くの経験を積み重ね、自らを成長させ、主体性をもってJC運動に参画する。そこには自らを変革させ、個性を磨く機会が必ずあります。そして愛情をもって互いが互いを想い、喜びも苦労も分かち合い、心が一つになった時、個性が輝き、組織が強固となり、信頼と説得力のある運動が展開できるのです。尼崎青年会議所の伝統と熱い情熱を胸に運営を行って参ります。

60年の節目を迎えて

多くのメンバーの皆様と共に、尼崎青年会議所60周年を迎えられることを誇りに感じます。その歴史を紐解けば、戦後の復興期に「新日本の再建は我々青年の仕事である」という熱き想いから始まった日本の青年会議所運動に共感し、歩みを始めた尼崎青年会議所は、互いに切磋琢磨し、今後の地域のリーダーとして基礎を確立し、青年らしい情熱を燃やして「より良い社会」を着実に実現していこうという考えで、人の心を動かし続け、これまで数々の大きな足跡を残してきました。その原動力となったのは、このまちへの熱い想いです。今、我々があたりまえのように活動できているのは、これまで先輩方のたゆまぬ努力と情熱と行動力で、良き手本として示してくださったからです。60年は人間でいえば還暦にあたり成熟した人生を歩み始める節目の年であり、今までに蓄えた力をさらに発揮する時です。固定概念に捉われることなく、困難な課題に果敢に挑戦し、青年会議所運動に邁進することは、個人としても組織としても貴重な経験であると同時に、地域においても、真に必要とされる組織としても成長できる機会です。先輩方のこれまでの活動及び功績に感謝と敬意を表しながら、このまちの明るい未来のために、メンバーにとっても誇りに感じられる組織となるために、大義をもって笑顔で歩んで参ります。

1.創立60周年 ~過去からのつながり~

尼崎青年会議所は、59年間にわたり携わってこられた先輩方の創意工夫と運動の成果の蓄積によって、強固な組織力と地域への発信力を兼ね備えた組織へ成長し、2019年度、60周年を迎えることができました。この先輩方が築いてこられた功績があったからこそ、我々は社会の変革に挑戦することができるのです。我々はその重みを再認識し、この素晴らしい組織を継続することに、誇りをもって運動しなければなりません。この60周年を、これまで運動の軌跡を紡いでこられた先輩方をはじめ、日本各地で活躍する青年会議所の同志、今まで共に運動をしていただいた皆様に感謝を伝える節目とし、尼崎青年会議所の歩みについて検証する機会に致します。そして、尼崎青年会議所が現在まで培ってきたつながりを一つひとつ紐解き、運動体としての新たな一歩につなげていきます。社会への奉仕から始まった尼崎青年会議所の運動は、時代と共に変化してきましたが、今後65周年、70周年に自信をもって、社会の付託に応えられる組織を目指していかなくてはなりません。過去から未来をつなぐために、青年会議所の無限の可能性を再認識し、大きな夢を描く創立60周年と致します。

2.地域への発信 ~人と人のつながり~

尼崎青年会議所は、59年間の運動の中で、地域を明るく豊かにするために、数多くの事業を推進し、地域との関係を築いてきました。これからも尼崎に関わる人と人のつながりを生み出し、伝播させるためには、我々の運動をJCブランドとして、5年先も10年先も尼崎市民に発信し続けることが不可欠です。そのためにも、この創立60周年という節目にメンバー一人ひとりが原点に立ち返り、運動が誰のために、何のためにあるかという原理原則に基づき、組織としての責任を常に意識しなければなりません。
また、青年会議所運動とは、人々に意識変革を起こしていく運動であり、運動に込めた熱い想いが伝わってこそ、人の心を動かし賛同を得ることができます。誰のために、何を目的に、どんな運動を行っているのかを、多くの人々に知っていただくために、様々なネットワークを活用し、迅速かつ効果的に運動を発信します。我々の運動を幅広く伝播し、認知度と信頼性の向上につなげるとともに、運動を共感していただける組織へと成長して参ります。

3.JAYCEEの育成 ~次代へのつながり~

日本が抱える重要課題の少子化・高齢化社会、そして人口減少は、我々の活動する基盤である尼崎においても課題となっており、それに伴って地域の活力が低下することが予想されます。しかし、少子化・高齢化社会、人口減少が進んだとしても地域の活力を低下させることは許されません。そのために、共にまちづくりを考える同じ価値観の同志をひろく求めます。
我々は「修練、奉仕、友情」を三信条として活動、運動して参りましたが、その行動力を進化させるために、次代に牽引するリーダーを育成することが必要不可欠です。研修には様々な方法がありますが、日本青年会議所の研修プログラムを活用するなど、視野をひろげることで、自己啓発とリーダーとしての意識を醸成し、組織力の強化につなげます。
また、これまで先輩方が紡いでこられた熱い想いを、絶やすことなく、さらに発展させるためには、会員拡大が必須です。会員拡大を成功に導くためには、一人ひとりが会員拡大の目的、必要性を理解し、青年会議所の魅力を再認識し、行動し続けなければなりません。「数は力、質は強さ」これからリーダーとなる同志に対して、青年会議所がもつ、無限の可能性や情熱を伝え尽くすことで、志高い仲間を多く迎え入れましょう。

4、まちづくり ~愛するまちとのつながり~

昨今、日本では多くの民間団体が存在し、尼崎においても多くの民間団体により、まちづくり活動がおこなわれています。ひろい視野で尼崎だからできる役割を考えたとき、地域活性化には、外部との連携が必要です。枠を超えた連携は地域活性化の鍵であり、市場を自然と増大させ、一地域でおこなう以上の効果を見込むことができます。モチベーションを上げ、各種団体と連携することで、イノベーションを起こし、時代に合ったかたち、未来につながるかたちを見出し、一歩先を見据えた運動の展開が必要です。総力をもって連携することができれば、人々の生活基盤は充実することはもちろんのこと、個人の好奇心を満たし、自己実現の創出にもつながるでしょう。それが尼崎だから実現できる魅力につながると考えます。人々の意識を変えるために、地域の課題を見据え、課題解決となる仕組み創りをおこない、魅力あるまち尼崎を創造して参ります。

5、ひとづくり ~未来を担う人材とのつながり~

現在の教育環境に目を向けると、学校内の教育だけでなく、学校が家庭や地域と情報を共有する三位一体の教育が推進されています。そこには大人と子どもが共に学ぶ共育の指針がある。いつの時代も子ども達は地域の宝であり、子ども達には地域の中で、笑顔あふれる姿で健やかに成長してもらいたい。子ども達に学びを提供するだけではなく、大人たちが地域の子ども達に積極的に関わり、共に学べる機会を増やすことが、未来を担う子ども達には必要ではないでしょうか。生涯に亘って地域を想い、活躍できる人材に成長するには、子ども達が地域を誇りに感じられる経験が必要であり、そのためにも我々がお世話になった地域に対して郷土愛をもち、子ども達に大人の背中を見せていかなくてはなりません。大人との関わり合いの中で、子ども達が自ら住まう郷土への愛着を育み、大人と子どもが共に地域のことを考えることが重要であります。まちづくりは人がおこなうものであり、人の成長なくしてまちの成長はありません。一人ひとりが「まちづくりはひとづくり」の重要性を改めて認識し、次代を担う多くのリーダーを育成することで、尼崎のまちを想い、行動してくれる人材を育成して参ります。

6、LOMの価値の創造 ~成長と経験のつながり~

まちや地域を構成する原点はまぎれもなく人であり、それは唯一無二の存在です。青年会議所では感性の違うメンバーが同じ方向を目指し、日々議論を交わし活動する中で、三信条の中にもある友情が育まれています。自分たちのビジョンを達成するための道のりが険しいほど、共に歩んだ仲間はかけがえのない存在として生涯の宝となり、そんな経験をしたメンバーが多く集まることで、強固な組織を形成するのです。これから地域のリーダーと成り得る仲間を増やしていくために、JC活動に対し真摯に取り組んできたメンバー一人ひとりが、今までの経験から得た青年会議所の魅力を、まだ見ぬ若き青年に自身の言葉で伝えていくことが必要です。その新たな出会いによって導かれた者が、青年会議所の魅力を知り、伝播することができれば会員拡大の循環が醸成されることでしょう。そして青年会議所に集う同志が増えれば、我々の運動は厚みと深みを増し、明るい豊かな社会の実現に近づくはずです。
また、世界的にインターネットなどの普及により国際との交流が増える中、尼崎青年会議所は、ASPACなどの国際会議への参画や、海外LOMとの交流など、国際交流の機会に恵まれていますが、活かしきれていないのが現状です。メンバーがこの機会を存分に活用し、他国の価値観に触れ、自らを客観的に捉え、新たな視点をもつ必要があります。積極的な国際交流をおこない、日本と異なる文化や価値観に触れることで国際的な視野がひろがり、日本を外から見る他国との違いや共通点、素晴らしさを学ぶことで、日本人としての誇りを改めて感じることができます。メンバー一人ひとりが日本人としての誇りをもつことで組織に刺激を与え、これまでにないつながりは地域に必ず変化をもたらします。JCI・日本JC・近畿地区協議会・兵庫ブロック協議会・姉妹JC・友好JCと積極的に参画し、交流を図り、青年会議所のスケールメリットを最大限に生かし、一般社団法人尼崎青年会議所の価値を創造して参ります。

最後に

我々の運動は、時代に即した進化を遂げてきましたが、変革者たらん青年が能動的に活動する志と、情熱と勇姿で奮い立たせてくれる仲間の存在は今も変わることはありません。青年会議所の無限の可能性を信じ、青年会議所という最後の学び舎で得たことを、関わっている人、地域に行動で示そう。その先には必ず我々が目指す明るい豊かな社会がある。現状に満足せず、失敗するリスクを恐れず、固定概念に捉われず、困難な課題に果敢に挑戦し、青年会議所運動に邁進して参りましょう。
1年間の経験は必ず生涯の宝となります。目の前の瞬間が二度と訪れないことを常に意識しながら、自分自身と仲間を信じ、大義をもって、笑顔を絶やさずに皆で力を合わせて1年間歩み続けましょう。