理事長メッセージ | 尼崎青年会議所

理事長メッセージ

破天荒

理事長

一般社団法人 尼崎青年会議所
2020年度 第61代
理事長 後藤 康仁

「破天荒」という言葉を聞いて、どのような意味を思い浮かべるでしょうか。
豪快とか大胆という意味を思い浮かぶ人が多いかもしれません。しかし、本来は今まで人がなし得なったことを初めて行うことを意味します。
この言葉のように、本来の意味と異なった意味で思われていることはよくあります。
我々の活動する尼崎市についても、「治安が悪い」「公害の町」というイメージが未だ残っています。しかし、実際は、 2013年に環境モデル都市に選定、 本当に住みやすい街
大賞2018年in関西で1位、 2016年から3年連続人口の社会増、の都市でありイメージとは異なり 住みやすい街へと変革を続けています。
そして、我々青年会議所運動も同様にイメージと実際の乖離が良い意味でも悪い意味でもあります。
尼崎青年会議所は、創始以来「こども達と夢を語れる『まち』 尼崎」を目指し「奉仕」「友情」「修練」の三信条のもと運動を展開し、今年、61年目を迎えることができました。これは、先輩諸兄が長い歳月をかけて続けられた運動の実績によって築き上げられたものです。
「JCもある時代」 と言われている現在、我々は何故青年会議所運動をしているのでしょうか。我々の運動に意義がなければこの団体に所属する意味はなく 、 組織が衰退していくことは目に見えています。 現状に甘えていては、組織は何も進歩しません。
青年会議所は40歳までの団体であり限られた時間であるとともに、青年だからこそ失敗を恐れずに果敢に挑戦できることを忘れてはなりません。
現状に甘んじることなく、 次の10年、20年、もっと 先を見据えて、今一度我々の運動を振り返りつつ、新たな次代に向けて、時代の変化を的確に捉えて運動をして参りましょう。
そして、今までなし得なかったことに新たに挑戦する年としたくスローガンを「破天荒」と致します。

進むべき道

尼崎青年会議所がこれからも尼崎で必要とされる団体であり続けるためには、 創始以来の精神である「こども達と夢を語れる『まち』 尼崎」を目指していく ことの気概と覚悟をもったうえで、時代の変化を的確に捉えて運動を展開していく必要があります。
今一度、原点に返り、我々がすべき道は何なのか。
それは
① 地域貢献
② 人材育成
③ 組織の活性化
この3 つにほかなりません。
2020年度はこの3つを柱として進めて参ります。
そして、 この3つの柱を達成していくには、 当然一人ではできるものではなく、会員一人ひとり の力が必要となり、全員が当事者意識をもって行動することが必要不可欠となります。
この3つの柱に、時代に即したスパイスを加えて、果敢に挑戦する1年にしましょう

SDGs推進について

2015年9月国連サミットにて採択されたSDGsについて、 日本青年会議所は2019年1月に、外務省とSDGs推進におけるタイアップ宣言に署名し、全国の会員会
議所とSDGs推進宣言を総会にて審議しました。
また、2017年の閣議決定において地方公共団体のSDGs 取組みの推進が位置づけられました。これを受け尼崎市においても総合基本政策の中でSDGs 推進の取組み
を実施していく内容を策定しています。
SDGsは、これからの社会において必要な指針であり、行政や地域団体と連携していくにはなくてはならないものであります。
そもそも、我々の運動は既にSDGsを行っています。 そして、SDGsは今まで目に見えなかった課題解決という部分を、目に見えるようにしてくれる指標なのです。 我々自身がSDGsに紐づけした事業構築を意識して行っていく必要があります。
これからも我々が持続可能な団体として運動を展開していく うえでSDGsの推進をしていくことは必要不可欠なものであります。

地域貢献

我々の運動の原点である尼崎の未来を考えるうえで、 我々が地域にできることについてはたくさんあるはずです。
実践していく うえでは、我々自身が尼崎の魅力について発掘し知ることが必要です。 また、地域課題についても正確に分析し、地域課題解決の道を模索していく必要もあります。
その為には、行政や地域の諸団体、高等教育機関と連携をとって、尼崎全体を巻き込んだまちづくりをしていく必要があります。
1995年1月17日午前5時46分52秒、阪神・淡路大震災が発生し、 この未曽有の大災害から今年で25年を迎えます。また、南海トラフ地震は30年以内に70~80%の確率で発生すると言われています。近年では豪雨被害も相次ぎ、自然災害は身近なものになっています。そして、いつ起こるかわからない自然災害については、 全てを未然に防ぐことはできません。
しかし、過去の教訓を学び、災害が起きた時にどのように対処するのか、 防災・ 減災の意識を日常的に啓発できるかを含めて事前に準備できることはあります。そのような準備を行い、地域に周知していくことこそが、地域への貢献となることは間違いありません。

人材育成

時代の変化を捉えて社会を変えていくのに最も必要なのは、それを実現できる人材です。 人材がいなくては、地域が発展していくことはありません。
まずは、 尼崎の将来を担うこども達の成長が尼崎の未来には必要不可欠です。今のこども達に何が足りないのか、我々 が大人としてこども達に何を伝えていく必要があるのかについて十分に考える必要があります。
こども達の発想は柔軟であり、我々にとっても刺激となることが多々あります。そのこども達の発想を損なうことなく、成長の一助となることが、将来の尼崎の未来の創造の一歩となります。
また、AIが発達した現代において、 将来なくなる職業も出てくると言われています。
現在の高等教育は新しい時代に必要な能力、特に職業的能力、対人的能力、組織的能力を十分に育めていません。これらの能力を育むためには高等教育機関や企業と連携して育成していく必要があります。

組織の活性化

地域貢献、人材育成を推し進めていくには、我々の組織も活性化し、発展していく必要があります。
そして、 組織を活性化させるには、①会員の拡充②会員の育成③健全な組織運営④対外的広報⑤他団体との交流の5 点が必要です。

① 会員の拡充

組織を継続していく うえでは、会員がいなくては何も始まりません。 青年会議所は、40歳までの青年経済人の団体であり、限られた時間しか会員であることはできませ
ん。次代の仲間がいなければ、組織がなくなることは明らかなことです。
我々の運動を継続していくには、我々の運動に共感し、志を同じくする次代の仲間を集う必要があります。
次代の仲間を集うには、 我々自身も魅力ある団体として成長していかなくてはならないことを忘れてはいけません。 そして、「拡大」を目的にするのではなく、我々自身
も成長し、我々と志を同じくする仲間を集うということを胸に刻み込んで会員の拡充をしましょう。
それこそが、 我々の運動を広く伝播することとなり、組織が活性化することとなります。

② 会員の育成

青年会議所が他団体と違う大きな1つは、「修練」の場があることです。 単なるボランティア団体ではありません。
そして、 会員の資質が向上することがもたらす地域への貢献は計り 知ることはできません。
特に、 現状の尼崎青年会議所は入会3年以内の会員が全体の約7割をしめています。
この入会年度の浅い会員の成長こそが、これからの尼崎青年会議所の宝となります。
会員全員が何故青年会議所運動をしているのかを再確認し、会員一人ひとりができることを考え、当事者意識をもって活動をしていく必要があります。
その結果、 我々全員が地域のリーダーとなる人材へと 成長することこそが、地域貢献、人材育成に資するものとなります。

③ 健全な組織運営

我々は、一般社団法人としての法人格を有して組織を運営している以上、コンプライアンスの確保は当然のことです。 そして、コンプライアンスの確保をするとともに個人
の意見の尊重、活発な会議のもとで組織は成り立っていきます。その組織を運営していくことが尼崎青年会議所の基盤であることは間違いありません。 私の好きな言葉に「陰日向なく誠を尽くす」 という言葉があります。この精神のもと組織運営をしていくことが必要であります。

④ 対外的広報

我々の運動がどれだけ良いものであったとしても、市民から我々の運動については共感と信頼を得ていなければ、我々の運動は単なる自己満足にすぎません。
インターネットが普及した現代において、我々の運動が多くの情報の中に埋もれることなく発信していく必要があります。
その結果、 今まで以上に発信力のある団体となり、地域に影響を及ぼす団体へと変革していきます。

⑤ 他団体との交流

青年会議所運動には、出向という制度があり、 国際青年会議所、 日本青年会議所、近畿地区協議会、兵庫ブロック協議会へと出向ができます。そこでは、 尼崎青年会議所とは違う青年会議所運動を見ることができ、会員自身にとって大きな刺激の場であり学びの場であります。
また、尼崎青年会議所には姉妹・友好JCもあり、国際交流の機会にも恵まれており、
自己研鑽の場の提供がなされています。
出向や他LOMとの交流を積極的に図り、会員一人ひとり が刺激を受け、尼崎に持ち帰り、尼崎に新たな風をもたらすことが組織の更なる発展に寄与しますので是非積極的に出向、国際交流を図ることを望みます。

結びに

我々の運動は永遠ではありません。 また、一人で行うこともできません。
会員一人ひとり の力がなくては、我々の運動は絵に描いた餅となります。
今までのイメージも大切にしつつも、新たなことに踏み出さなければ時代に取り残されていくことは目に見えています。
大胆かつ豪快にそして、今までなし得なかったことに果敢に挑戦していきましょう。
一歩踏み出さなければ何も変わりません。
破天荒な1年にしましょう。

基本方針

  1. 1 一般社団法人尼崎青年会議所の理念、運動方針に沿った運動の展開
  2. 2 一般社団法人尼崎青年会議所の会員の拡充
  3. 3 高等教育機関との連携
  4. 4 尼崎市との連携
  5. 5 会員の資質の向上
  6. 6 青少年の健全な育成
  7. 7 地域連携事業及び防災事業の実施
  8. 8 一般社団法人尼崎青年会議所運動の発信
  9. 9 国際青年会議所、日本青年会議所、近畿地区協議会、兵庫ブロック協議会への協力ならびに出向者支援